日本は瑞穂の国と言われ、弥生時代から農耕を中心にしながら生活を築いてきた。
そして、作物の出来が天候に左右されることが多かったため、五穀豊穣を願い神に祈りをささげる様々なスタイルの神事が、各地域に自然発生した。
農村地域には、このような神事が長い年月を経て継承されてきている。
正に、地方の文化である。

肝付町岸良で行われている神事「ナゴシドン」は、約600年前に始まったとされ、その目的の一つはやはり五穀豊穣である。
日本各地に発生したこのような神事は、少子高齢化の到来を迎え、衰退化しあるいは消滅しつつあるのが現状である。

肝付町岸良も例外ではない。
実際、2015年まではナゴシドンの神舞を担う者が減少し、その行く末が懸念されていた。

2015年 平田神社

2015年 岸良海岸での神舞

2016年、地域おこし協力隊として着任した田中綾音さんは、この現状を何とかできないかという思いから神舞を執り行う人たちを「つなぎ手」として、町内外から広く公募する活動を始めた。

世代も地域も超えて、神舞を新たな形で受け継いでいこうという考えからの始まりだったが、果たして応募者があるのかと不安な日々を送ったに違いない。
結果としては、全国から9名の若者が応募してくれた。
また、地元の若者も若干ではではあるが、参加することとなった。

約1週間ほどの練習を行い、無事に本番を終えた後のつなぎ手たちの表情はすがすがしく、何か満足げであった。

2016年 練習風景

2016年 平田神社を出立

2016年 岸良海岸での神舞

また、地元の人たちにとっても、思いもかけない新たな一歩を踏み出せたことに、何か希望を見いだせたに違いない。

2016年 終了後の集合写真

2016年のこの出来事は、 「ナゴシドンのつなぎ手報告書」で詳細に記載されている。ぜひ、ご覧あれ。

高度成長時代を経て、人々の人生の価値観は多様になり、心の豊かさを求める人も多くなっている。
2017年も引き続きナゴシドンのつなぎ手募集が始まっているが、他では味わえない何かを見出すことが、ここではできるかもしれない。

人も土地も優しいこの地で、人生のほんの1週間を過ごしてみるのもいいと思う。

岸良の風景

  • ナゴシドンつなぎ手募集は、こちら